2002.07.11 　・・その後２軒遠方の宅配があり、最後の時に一時間早く着いてしまいました。目の前が大型めがね店舗で、そういえば老眼鏡がもう一つあってもいいなと入ってみました。後で、今までのほうがいいのに気付いてがっかりしましたが便利にはなりました。 　でも、その量販店でとても良い経験をしました。体に染みるという感覚でした。レンズを加工している間、眼鏡店通例の高級品の陳列テーブルで待たせられました。目の前にニコンとシュナイダーが並んでいました。４ｘ５のカメラレンズを買う時にいつも比較する二つのメーカーが眼鏡屋さんでも競合しているんだと、ついいつもの感じで見比べていました。 　一つひどく心を惹かれるものがありました。形が眼鏡らしくていいなと思いました。掛けてみたくなりました。デザインがどうのではなくて役立ちそうな形でした。私にとって老眼鏡は完全に道具なので、メガネフレームも機能のみで探します。それは軽そうで、でもすごく頑丈そうでなんだかぴたっと顔にくっつきそうでした。シュナイダーの列にある８万円の男物ものでした。隣のニコンは１６万、右隣ではイブサンローランは金縁やダイヤ入りが飾られていました。 　何で心惹かれるのか知りたいと思いました。高いし、今購入したので必要もないしで買いたいという感じではありません。・・なのに掛けてみたいと思いました。なんとなく完璧に近い形だなと思ったのです。 　思い切ってお借りしました。 　掛けた瞬間に分かりました。全く掛けている感じのしないフレームでした。丁度私の骨格と一致したからだとは思いましたが、私は感動しました。 　このフレームは、シュナイダーで働く何百人ものドイツ技術者が練り上げた一つの作品なのだ。人をうならせる力を持った本物の技術なのだと思いました。同じような価格帯の眼鏡ともう一度店内を一周して掛け比べてみました。何処がどう違うのか並べてみてもよく分かりませが、同じようにバネを使ってあるのにその眼鏡はバネの存在を感じさせません。ふわっと、ピッタリと耳にくっつくのです。鼻筋の捕らえ方もとても自然で柔らかいのに動きません。顔の一部になっているような感覚でした。 　溜息が出ました。 東京への夜の高速をひた走りながら、なんだかもっときちんと人生を生きるべきだったと思いました。この先どんなに頑張っても、私にはあんな感じの結婚相談所は創れないなと思いました。 　’02.06.28 　ファイルが一循したのでナンバー打ち直しが完了しました。一目で何時のかが分かり混乱する事もなくなると思います。思ったより早かったです。それだけ皆が頑張っているという事でしょうか。入会の時にいつもライト・ウェーブに入ったら忙しくなるのよ。頑張って探してねってドンって置いていくし、集めに来るし、お見合いも入ってくるしで大変よ。覚悟してね。こっちも頑張るからあなたもねって。 　でもわたしが煩く言うのは此処まで。あなたの大切な人生に見知らぬ私の入り込む隙は無いもの。なるべくあなたらしく自然でいて欲しいです。いつの間にか心が寄り添っていくナチュラルで暖かな恋が芽生えて育ちますようにと陰ながらお祈りしています。 　 　疲れたときには尋ねてきてください。紅茶か珈琲にケーキを添えてのんびりと日曜の午後を過ごしましょう。その為にいつも私はあくせくと働いているのです。 　相談する相手なんて立派な人でなくてもいいのです。私みたいなのでもいいのです。あなたの世界とは接点はないので何の差しさわりもないし、何処かにもれる事もないのですから。話しているうちに混沌としたものがあなたの頭の中で整理されてくるでしょう。私は冷めた紅茶を暖かなものに入れ直してさしあげるか、アイスティを入れ直し、ただ、あなたの幸せだけをずっと考え、今までの経験をぎゅっと詰め込んだハートであなたの側にいてさしあげます。 　こんな休日の午後が私は大好きです。 ’02.06.19 　切手シートを制作 　　　 　　 　ヨドバシのポイントカードで点数を貯めて、なにげに交換したバカチョンカメラが役に立ちました。目の前の棚にのっていたそのカメラが邪魔で何処かに退かそうとした時に、この状態を撮っておこうと思いつきました。フィルムは冷蔵庫に入れてある分はもったいないしそこまで行くのも面倒だと思ったら、下の段の隅に１つころがっていました。もう腐っていそうでしたが大丈夫とカメラに装填しました。 　２〜３枚パチパチのつもりがつい本気になって、だんだん下がったりテーブルの上に乗ったりして最後は壁に背中を押し当て、古い砂壁から落ちる砂の音と共にシャッターを切りました。やはり出来上がった写真は壁にへばりついた最後のが一番良かったようです。午後の２時位でしょうか。隣の部屋で手伝って下さっている方がシール貼りをしていました。テーブルの下ではブッチがごろんとしています。 　えっ、撮るのと慌てながらも彼女はOKを出してくれました。是も椅子を引っ張り出して天井いっぱいから撮りました。でもなんて狭い範囲しか撮れないのでしょう。残念。 　　　　　 　４x５で撮ったらすごく広く撮れるんだから今度暇を作ってバシッとしたのを撮らねばと思いつつ、いや、写真と現実のずれが大きすぎると思い直しました。 　作業の中には部屋中を使って大奮闘なのもあるので冷蔵庫からフィルムを1本出して引き出しに仕舞いました。又撮ろうと思います。 　今度ポイントが貯まったら小さなデジタルカメラと交換したいです。デジタルを一台も持っていないなんて超時代遅れかも。カタログを見ましたけど本格的なのを揃えるのは目が飛び出る金額でした。 　’02.5.22 　女の子はやっぱりちょっとセクシーでなくちゃ・・・。と、若い可愛い会員さんへのメールに昨日書きました。ワァーっていう感じです。セクシーなんていう言葉を使ったのは何年振りでしょう。私って女である事をもうすっかり忘れているんだと思いました。まあ、それだけ幸せってことかしら。なんてね。 　その会員さんはとても可愛い顔立ちの方で、本人は必死で仕事をしているから、いつも髪をいっっぱいのピンで留めています。ところがその日はフワーとして歩くと揺れる髪で、アラーこんなに綺麗だったかしらってびっくりしてしまいました。なのに口に出た言葉は歩き方をもっと素敵にした方がいいわよだったので、何だか気が咎めて夜にメールを出しました。彼女の事をいつも可愛いと思っていたのにその時、美しいなあって感じました。大人の女性の香りが彼女を包んでいて洒落た雰囲気だったのに、手提げが高校生の持ち物の様で、そこに視線が釘づけにけなってしまいました。仕事をこなしているから荷物も多いし頑張るなーなんだけど、胸から上のムードと買い物袋のような手提げが余りにもアンバランスでもったいない。何だかそんな気持でいっぱいになりました。 　時代はもうとっくに変わっているのだから、古い感覚で物事を見てはいけないなと反省しました。ごめんなさい。 　若いっていいナーと思いました。彼女はきっと日に日に美しくなっていくのでしょうね。そして私はブクブク、ぷよぷよってなっていくのでしょうか。ダメダメ頑張ります！ 　’02.5.18 　人生なんていろいろあって、運不運は紙一重。努力をしたからといって運が向いてくるわけでもないし、頑張った分良い方向に進む保障もない。この私だってこんなに考え、いつもずっと働き続けているのに、毎月お金のやりくりで泣いている。そんな背中を見続けている娘だから、いつもおとなしく我慢強いのにこんな投やりな言い方をするのだろうと思った。。 　どうせお茶くみしか私はしないんだ。どんなに頑張ったってお茶くみしか、しないんだから。 　レポートもバイトもそれなりにこなしているのは分かるけど、あまりにも何もしないのにたまりかねて自分の専門分野を創りなさい。勉強をしなさいと言うと、娘はこう答えて二階へ行ってしまった。私はこのままでは良くないとしばらくして上に行き、何もしようともしないでやっても無駄というのはおかしい、卑怯じゃないと思わず言ってしまった。すると娘は背を向けたまま小さくはき捨てるように、 　「卑怯でいい。だって私はいつでもそうやったよ。頑張ってやったって、いつだってだめだった。いつもずっとだめだったんだよ。」と、言った。 　返す言葉もなく、通り一遍の言葉をかけて私は階段を下りた。彼女の言う通りだ。残念ながら間違いのない事実だ。その上この不況の建築業界で、お茶くみの仕事だって獲得できるとは思えない。 　この世の中にはもっともっと頑張る人が山のようにいる。脳のシナプスを太くびっしり絡み合わせたり、システムを完備させている本式の努力家が多すぎるから中途半端な者は太刀打ちできない。自分の望みを獲得できる範囲内に設定したり、たどり着ける道筋を探し当て、やり遂げる能力を身に付けさせるのは親の仕事なのに、主人がいたからいいようなものの、この私は不出来な親で右往左往している内に子育て期そのものが終了してしまった。　 　無理な事に挑戦するのを止めさなかったのはやっぱり間違いだった。毎回失敗でもそのつど娘がぐんと成長したと感じて私は喜んでいたけど、本人にはダメだった事だけが心に積み重なっていったのだろう。結局は私が高望みをさせていたのだ。その子なりの成長を心から喜び、小さくても山のような成功体験をいっぱいあげて楽しい毎日にしてあげるべきだった。もっと穏やかで暖かな環境を私達夫婦は創ってあげるべきだったのだと思った。 　何もしたくないなら、しなくてもいいのかもしれない。十分にいい娘だし何とか生きていくだろうから、もう何も言うまいと思った。早く仕事を一段落させ美味しいものでも作ろうと思った。 　’02.5.6 　ゴールデンウェークに出かける予定を作らないようになってから何年目でしょうか。子供の小さい頃は、どんな渋滞も全く意に介さず、お財布の中身とにらめっこで色々な所へ旅行に行ったものです。くたびれ果てて車の助手席で大きな口を開けて眠りこけていたのにはっと気付いたら、たった今料金所を過ぎた所だったりして。 　やだ！恥ずかしいじゃない。料金所の手前で起こしてくれればいいのにと一応恥ずかしげに主人に言うと、やだね。起こしても起きるわけ無ないんだからとの事。アァー、その通り。私はもうどっぷり、「おばたりあん」にはまっているのだとため息をついたのを昨日の事のように思い出しますが、はて、何年前の事だったのでしょう。 　光陰矢のごとしとはよく言ったものです。昔の人の造語力はたいしたものだなーと感心することしきりです。 　この２〜３年のキチガイのように忙しい日々を又何年かしたら、懐かしく思い出すのでしょうね。子育て中の時は、これ以上忙しい思いは無いと断言ながら馬車馬のように走っていていました。いつかこんな日々を懐かしく思うときが来るなどとは考えるもせず、永遠に続くのかと思っていました。さすがに今は、いくら忙しくてもその先の事を考えるゆとりはあるなと思いました。 　でも、ゆとりではなく、一度経験すれば誰だって分かると云うだけのことだったりして。まあ、楽し苦しめる内が華と心得て頑張りましょう。 　’02.4.14 　初のクローン猫「Cc」の写真を見ました。ヤギの時にはただ驚いただけでしたが、猫は今も膝の上にいる位身近な存在なので、ただひたすら可愛そう、人間はひどい事をするものだと思いました。クローン赤ちゃんもあちこちに必ず誕生するのだろうと思うと肌寒くなります。彼らの人権はどうなるのでしょう。自分がクローン人間だと知った時どんな想いをするのでしょう。兄弟として自分自身と暮らすクローン人間も出てくるでしょう。その時の二人はお互いにどう思うのでしょう。 　もう３０年以上前にクローンの話を物知りな人から詳しく聞いたとき、びっくりして、でも挿し木もあるし傷口も治るのだからありえない話ではないと、変な納得の仕方をした事を思い出します。私の知らないところでは常識なのだろうし、誰が止めたところで止め切れるものではない。私が知ることが出来たくらいだからすぐ日常になるんだろうと思ったものでした。そして遺伝科学の進歩と相まってクローン人間はいつか飛び抜けた頭脳を持つようになり、実験や研究を重ねて新しい生命体になっていくのかなと思ったりもしました。３００年後の人類はどうなるのでしょう。すごく知りたいです。 　’02.4.3 　滑り込んだヨドバシで閉店用の曲の流れる中、地図関係のソフトを２種類購入。「素敵なお見合場所一覧表」と「行ってみたいデートコース」の新しいページを作るためだ。２００ヶ所以上から載せる許可を取らなければならないが、めぼしいホテルの許可はすでに頂いている。頑張らねば。 　ヨドバシの定員さんは商品知識が豊富で知りたいことが即答で返ってくるのがありがたい。思えば３０年も通ってしまった。昨夜も閉店最後の客で一眼レフの１７ミリの超広角レンズを買っている。それも店員さんのアドバイスで思いも寄らぬ安いレンズが手に入り感激した。今日の撮影で使おうとひらめいて車を飛ばしたのだ。我ながらご苦労様なことだと思う。 　レジには数名の客が何列にもならんでいた。しばらくおとなしく並んでいたのだが、その内に横の書籍のコーナーに目が行った。ふらっとデザインの本の並ぶ前に立ってみるとかなり変わっていた。やけに垢抜けた雰囲気が漂っている。端からぱらぱらとめくり始めたが今までに無く斬新だ。これはまずいと、慌てて一冊購入することにした。単にここの店頭に置いてなかっただけなのだろうが、ゆっくり見たいと思うものが何冊かあった。一流のデザイナー達がwebに移行しているのだろうか。それとも新しい若者達が腕を上げてきたのだろうか。微妙な色使いに至るまで計算できる有能なデザイナー達が、次々と新作を出しているのだと実感した。 　どうやったらこんな素敵なページになるのだろうとうっとりとして見入った次の瞬間、まずい、結婚.comのデザインはあまりにもやぼったいと、いまさらながらに気が付いた。周りがこんなスピードでレベルアップしていったらどんどん引き離されて、ますますくすんでしまう。 　そう思うと、いつものようにおもわず”ナニ この値段”と驚きつつも目に付く一冊を衝動買いしてしまった。 　理系の頭はないし、デザイン力はない。どうしたものか・・・と、行ったり来たり。でも、まあいいか、少しでもいい紹介をするのが仕事でホームページは付録なんだと自分を納得させながらも、帰ったら英語の辞書を片っ端から引いて単語の後に.com,.netをつけ世界のwebを見てみようと車への足を早めた。 　いつも、時代は急ぎ足で変わっていく。　付いていけなくても、離される距離は出来るだけ短くしようと心に誓う。頑張ろう！！ 　’02.3.27 　プロはすごい。今日はこの言葉を子供達に伝えました。何でもいいからこれと思う専門を持ちなさい。一つの脳で動いているんだから、途中でもそこまでにたどり着いたノウハウは他のあらゆる分野で、家庭や子育てや友人関係や遊びにだって応用できるわ。組み立て方とか、やり方とか、情報の集め方や整理して次に進むときの処理の仕方とか。何より苦労する長い時間の後の達成した喜びの一つ一つ。だからプロになれる努力を惜しまないでね。お手伝いのプロもよろしく。の一言を添えて。 　2002.3.22　 　何年振りかの徹夜作業をし立川に朝一納品をしました。中央高速は来る時すでに、反対車線が高井戸から国立までびっしり渋滞でした。 　帰り道、どこかで一眠りしないとあの のろのろ渋滞では絶対眠くなるはずと、高速に入り前に車を止められる場所を探しました。しかし何処までいっても安全に止められる所は無く、わき道に入っても前後の車は減らず、スピードも落とせません。あっという間に一橋大学の脇になり国立駅からの大通りを右折することになりました。 　その時です。アレッと思いました。 　なんか変だなと感じたのですが脳に到達しませんでした。ハンドルを握りながら後ろを振り返りました。前に戻って又後を見詰めました。後を走っているのは５０代のおじさんの白い乗用車で、ピンクの絨毯の中で走っていました。 　桜でした。突然の、見た事もない程の桜の大群が車窓３６０度に広がっていました。桜、桜とこのホームページにも書いてはありましたが実感は無く、まだ先のことのようにしか思っていなかったのだと思います。 　その美しさは染み入るように心に入り、なぜか背筋をピンと伸ばしてしまいました。 　中央高速の渋滞の中で最初に思ったことは、来年もきっと桜にビックリするだろうなでした。もうすぐ５３歳。人生で最も忙しい一年がまた始まりそうです。

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